「JINS本社移転プロジェクト」相関図
#1 メガネのJINS、(不安だらけの)「本社移転」計画始動!
JINS本社オフィス(東京)は、8年ぶりに引っ越しをすることが決まっていた。
詳細を聞くために、JINSの過去のオフィス移転を先導してきたプロジェクトメンバー(リーダー穴澤、設計はぎさん、広報いけっち、人事Sam、人事さいちゃん、システム洋二郎)のもとを訪ねた取材班。そこで、今回の引っ越しが「メガネ業界に乗り込み20年が経ったJINSの『これから』を決める」重大なプロジェクトになることを聞かされる。
いまJINSがオフィスを構えているのは、再開発が終わったばかりの都心、千代田区・飯田橋。東京の街を一望できる最上階の30階と29階のオフィスには、社員同士のコラボレーションをうながす仕組みが散りばめられていた。
こだわりの詰まった現オフィスを案内され、新オフィスに期待を膨らませる取材班。そして、プロジェクトメンバーに案内されるがまま、現オフィスから2キロメートル先にある神田錦町(かんだにしきちょう)の新オフィスへ。そこにはこぢんまりとしたオフィスビルが建っていた……。
聞けば、現オフィスより2分の1ちょっとの面積で、JINS史上初の「減床」。さらに、そのビルは近い将来取り壊される可能性があって……?
「JINSの『これから』を決める」その言葉の意味とはいったい……?
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#2「壊しながら、つくる」? JINSが「本社移転」をする理由
あきらかになった、JINSの移転先とその条件。現オフィスより建物は古くなる、面積は狭くなる、立地も不便になる、9フロアに別れるため社内アクセスも悪くなる、そのうえ近い将来ビルを取り壊す可能性があって、予算もコンパクトに絞られている……。
CEO田中さんの「クリエイティビティを失わず、徹底的にローコストで」というオーダーに応えるには、プロジェクトメンバーが考えなければいけないことが山積みだった。
悪条件とも思えるこの引っ越しは、決して業績の問題や、リモートワークの定着が理由ではない。その目的は、田中さんが抱えていた“ある危機感”の払拭だったのだ。
新たに生まれたコンセプト「壊しながら、つくる」を実現することで、JINSの創業者である田中さんが取り戻したいと考えているものとは……?
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#3 社員増なのに広さ減、あべこべなオフィスをどうデザインする?
2月のとある日、新ビルのフロアの割り振りと図面がPM(プロジェクトマネジメント)の会社から届いた。その図面を前に、改めて課題の多さをプロジェクトメンバーたちは再認識することに。
「半分強」の広さになってしまう新オフィスに、現オフィスの各スペースの役割をそのまま持って行っても到底入りきらない。しかし、単純にスペースをなくす判断をすれば、それぞれの場所を利用している社員の不満につながってしまう。社員たちの理解を得て、同じ方向を向くためには、ただ「削る」だけではなく、働き方そのものを「変える」必要があるのだ。
膝をつきあわせて議論するメンバー。さらに、本社勤務社員を対象に行なったアンケート結果を見ると、要望や問題点が浮き彫りになってきて……。
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#4「これこそ大企業病だよ!」JINS創業者・田中がほえた!?
いよいよ迎えた、建築家の髙濱史子さん(髙濱史子建築設計事務所)による社長プレゼンの日。
内容は、プロジェクトメンバーが話し合ってまとめたフロアプランを参考に、髙濱さんが固めた新オフィスの設計コンセプト。これをCEO田中さんに提案し、承諾をもらうことが今回のゴールだった。
模型や写真を使いながら、完成イメージを共有。しかし、口を開いた田中さんから出てきた言葉は意外なものだった。
「いまの案は、『遊園地』になってしまっているんですよ。目指すべきは、原っぱ」
遊園地……? 原っぱ……? そして「これこそが大企業病だよ!?」と苦言を呈した田中さんの意図とは——。
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#5 オフィスにサウナ!? 緊急開催、サウナ講習会!
前回のプレゼンで、検討していた設計のプランは「もっと自由なオフィスに」すべく大幅に考え直すことに。さらにそのわずか6日後には、CEO田中さんからメールで「オフィスサウナ」導入の提案が送られてきたのだった。
想定外の案にプロジェクトメンバーたちに衝撃が走る。動揺のなか、田中さんから間髪を入れず医学博士の加藤容崇(かとうやすたか)先生を講師に招いた「とくべつ講習会」の実施指令が……。
リモートを含む、JINS社員200名が講習会に急遽参加。サウナの基礎や医学的効能、サウナとパフォーマンスの関係について学ぶことに。
「新オフィスにサウナ構想」、現実になるか……?
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#6 2度目のプレゼン。新オフィスの方向性が、ようやくまとまる!?
迎えた、CEO田中さんへの再プレゼンの日。
前回は田中さんから「全体の方向性はいい」とゴーサインをもらいつつも、「型にはめすぎている」と鋭いフィードバックを受けたプロジェクトチーム。今回は「オフィスサウナ案」も含め、改めて自由な発想で第2案をまとめてきたのだった。
建築家の髙濱さんが新たに掲げたのは、「One Tree『一つの木』」という建物全体を1本の木に見立てた方向性。その中の1アイデアに、田中さんからも「そんなことができるんだ!? おもしろいねえ」という声が!
順調とも思えたプレゼンだったが、とあるスペースについては、ほぼゼロから考え直すことになってしまって……?
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#7 決まらぬ1階、頭抱える引っ越しチーム。
前回のプレゼンで、CEO田中さんに「おもしろくない」と指摘を受けてしまった、1階の使い方。一方で、プロジェクトチームの面々は「これだ!」という案が見つからず頭を抱えていた。
そんなある日、メンバーの設計はぎさんが、立ち上がって宣言。「とりあえず、行ってきます!」オフィスを抜け出し、ある場所へと向かう。
その結果、プロジェクトチームがたどり着いたのは「広場・芝生・キッチンカー」というキーワードで……?
後日、建築家の髙濱さんとプロジェクトメンバー、そして田中さんによる「1階相談会」を実施。プロジェクトチームは「ワクワク」の壁を越えることができるのか……?
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#8 部署“ごと”ぐるぐるまわす? 新オフィスでの働き方を考える
課題だった1階のプランがまとまり、各階のフロアの役割がおおよそ決まったものの、プロジェクトチームにはまだ向き合わなければならない大切な仕事があった。
「大企業病」を払拭してベンチャー魂を取り戻すためには、「ハード面」である建物だけではなく、「ソフト面」である社員の「働き方」も新たにデザインする必要があったのだ。
本社勤務社員に取ったアンケート結果をもとに、指針をまとめた社員の出社頻度の目安や「働く場所とルール」について、JINSの頼れる役員陣と打ち合わせすることになったプロジェクトメンバー。
そこでメンバーが提案した「部署ごとの週替わり入れ替え」という新たなアイデアとは……?
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#9 オフィスは「大量生産」、働く社員は「囚人」!?
前回の役員相談会でアドバイスやゴーサインをもらったプロジェクトメンバーは、翌日、その内容をCEO田中さんに共有することに。
すり合わせたい内容は、「執務スペースの考え方とレイアウト」、座席の「部署ローテーション制度」、そして社員への指針となる「出社頻度の目安」の3つ。
しかし最初の議題、執務スペースのレイアウトを見るなり、田中さんから出てきたのは、「これじゃあ、『大量生産』って感じじゃない?」という言葉。早々に雲行きは怪しくなる……。
はたしてすべてのプランに対して、田中さんから良い返事をもらうことはできるのか……?
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#10 「美術館の中で働く」ため、ある方のもとへ
CEO田中さんとの「働き方議論」と前後して、9月のある日。
建築家の髙濱さんは「ある部分」に頭を悩ませていた。それは「美術館×オフィス」の方針。それを実現するためには、どんなアートを、どこに、どのように取り入れるべきか——。
そこで一同が向かったのは、芸術系大学の最高峰ともいわれる、東京藝術大学。日本を代表するキュレーターで、金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子さんを訪ね、引っ越しプロジェクトへの協力を打診。
硬い空気のなか、プロジェクトにかける想いと新オフィスの設計プランについて説明するプロジェクトメンバーと髙濱さん。長谷川さんが口を開き、メンバーに尋ねる。「そのデザインで『うれしい』ですか?」「それで心、休まりますか?」
働く人の創造性を刺激するため、あえて「違和感」のあるオフィスを目指して設計プランを練ってきたJINSと、「快適さ」を大切にする長谷川さん。
アートプランの行く末は……?
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引っ越しまで残すところあと約4ヶ月。 JINSの「これから」のために妥協しないプロジェクトメンバーたちは、まだまだあがき続けます! 次回更新をおたのしみに。