企画は倒れなかった!
そのワークショップは、今日のファシリテーターで引っ越しプロジェクトのリーダーでもある、ごっちんのこんな言葉から始まりました。
リーダーごっちん「集まっていただいてほんとうにありがとうございます。みなさんが来てくれなければ、このワークショップは企画倒れになってしまうところだったので、感謝しています」
ほっとしているように見える引っ越しプロジェクトのメンバーたち。対して、「もちろん来ますとも」といったように、頷いてくれる有志たちの笑顔がとても頼もしく感じられます。
それぞれ名札を付けて参加しており、お互い「はじめまして」の声を掛け合う姿も見られました。なんといっても、社長室や管理本部、営業支援部や法務グループ……と集まってくれた社員たちの所属は幅広く、なかには今年の2月に入社したばかりという人もいるのです。
さらに、リモートで参加してくれているメンバーもおり、オンライン・オフラインのハイブリット開催となりました。
みんなの顔と名前、一致してる?
ごっちんを除く、総勢21名の社員たちは4つのテーブルに分かれ、ワークをすることに。
とはいえ、すぐに考えをのびのびと発言するのは難しいので、まずは、冒頭の5分間を使って、ごっちんがその「種」となるようなトピックスを共有していきます。
・「働き方」の社会的変化
・組織形態のトレンドの変化
・オフィスの役割の変化
・社内アンケートの結果
なかでも、注目を集めていたのは「同僚の顔と名前の一致度」という社内アンケート結果。
社員の大幅な増加、そしてコロナ禍のリモート勤務導入などが重なり、「全員が全員の顔と名前を覚えている」という状態を維持するのが難しくなっていました。
このような状況も、JINSが新オフィスで克服したいと考えている課題のひとつです。どうすれば社員のコミュニケーションを増やすことができるでしょうか? フロアの運用などでも充分配慮していますが、さらにこのワークショップを通してもアイデアを募りたいと考えているのでした。
そしてさっそく、テーブルごとのワークに移っていきます。
始める前に設けられた「自己紹介タイム」では、それぞれが部署名、名前、そして最近はまっていることを順に熱く語っていくことに。
「息子のラグビーの試合を見に行っている」とうれしそうに話してくれる人や、「テニスにはまって6キロも痩せた!」という人、(そこに便乗するように)「茹でたまご中心の食事にして6キロ痩せた!」という人……など何やらストイック(?)な人も多いご様子。ガンダムや好きなアニメの話で大いに盛り上がるチームもありました。
同じテーブルのメンバーたちとも打ち解けられたところで、いよいよ今日の本題です。第一のステップとして今回は、JINSの「現状の把握」をするため、みんなで「As-is(アズイズ)=現状」と「To-be(トゥービー)=理想」を整理することになりました。
まずは「As-is」の良い点と悪い点、つまり「いまのJINSの働き方/組織風土をどのように捉えているか」についてを付箋に書き出していきます。
そして発想を助けるためのアイテムとして、多数のイメージ画像のプリントも各テーブルに用意されています。それぞれを確認した上で、「では開始ー!」とごっちんが号令をかけると、各々真剣にペンを走らせていきました。
ギャルの精神を持つ? 溢れ出した指摘とは
5分間の集中タイムが終わると、チームは自然と付箋を似た項目ごとにグループ分けしはじめます。
「良い点」として多く上がっていたのは、「個人に裁量が与えられていて、あたらしい挑戦がしやすい」「みんなが常に高いレベルの達成を目指している」「服装の自由やリモートワークの導入など、自分で選んで柔軟に働ける」というもの。そして「とにかく、いい人が多い」「若手が活躍していてうれしい」といった声も上がりました。
反対に「悪い点」「不足している点」として上がったのは、やはり「顔と名前が一致しておらず、声をかけづらい」という意見、そしてそのせいか「部署間の助け合いが生まれにくい」「他の部署の業務が見えにくい」というもの、また「ティッシュが(みんなで善意で運用すべきものなのに)補充されていないことがある」という日々のちょっとした違和感を取り上げてくれる人もいました。
総じて、組織の成長にともなって「連携」の意識が少し希薄化しはじめているという課題があるのかもしれません。
また、印象的な事柄として「スピード感があるのが強みだ」と考えている人と「さらにスピード感を出したい」と考えている人がいるということもわかりました。目指すレベル感の違い、あるいは部署間で差があるということも考えられます。
「As-is」の内容を踏まえ、今度は「To-be」で伸ばしていきたい点と改善したい点、つまり「あたらしいオフィスで、どのように過ごしたいか」について、それぞれ付箋を書き足し貼り付けていきます。
グループでワークしている様子は、みんなとってもたのしそう。和気あいあいといった雰囲気で声を掛け合いながら進めています。
一層伸ばしていきたい点と上がったのは、「さらに自由な風土にしたい」「みんながみんなの応援団になるようにしたい」「驚きのスピード感ではなく驚愕のスピード感へ」「雑談を増やす」といった意見。
改善したい点として出てきたのは、「ギャルの精神(遠慮なくダメ出しなどモノを言い合えるマインド)を持つ」「イエスマンにならず、意志をもって行動する」「顔を合わせる数を増やす」「田中さん(CEO)を見すぎない、当てに行かない」「社員のチャレンジを見える化する!」「過去の成功体験を捨てる」「会議に遅刻しない、時間内に終わらせる意識」「作業に集中していても必ず挨拶をする」といったものでした。
これらは会議体などの仕組みづくりやオフィスの設計で解決できる可能性も非常に高く、今後ワークショップを重ねるごとに、具体的なアイデアもたくさん出てきそうです。
現状は不足している事柄を話すターンでも、前向きな姿勢で取り組む社員たち。なかでも、「まだまだ変われそうですね!」という声がはつらつと響いていました。
より良くするために仕掛けていこう!
ワークを終え、それぞれのチームで話した内容を発表していきます。「では、わたしが」と積極的に名乗り出て発表者が決まっていく様子を見ると、短い時間ですがチームそれぞれ良い関係性を築けたことがうかがえます。
リモートで参加していたチームも含め4つのチームがそれぞれ、付箋を貼り付けた模造紙を見せながら、「今日のまとめ」を発表していきました。
どの発表にも「なるほど」「ほう」といった声が上がり、それぞれさらに考えが深まった様子です。とりわけ、引っ越しプロジェクトのメンバーは大切に心に刻んでいるようでした。
最後に、総括としてごっちんが話します。
リーダーごっちん「今日は、みなさんの声を聞かせてもらうことができてほんとうに良かったです。……わたし、改めて思ったことがあって。
日々のなかで、もしかすると『会社を変えていこう!』『より良くするために仕掛けていこう!』という気持ちが減ってしまっていたかもしれない……。そんなことを感じました。変わることを諦めずに『良くしていきたいんだ!』と意志を持って、動きつづけることが大切ですね。
ここにいるメンバーが、きっとその変化の先頭に立ってくれるメンバーになるんじゃないかと思ってるんです。これからもどうか、一緒にやっていきましょう。ご協力をお願いします」
参加者の深い頷きとともに、初回のワークショップは幕を閉じました。
手を挙げてくれる人がいなければ成立しない会でしたが、「アイデアを出したい!」「オフィスを良くするために協力したい!」という社員が集まってくれたおかげで、集まった意見やアイデアだけでなく、この先を共に牽引してくれるメンバーとわかりあうことができた……そんな雰囲気が漂っていました。JINSはまだまだ変わりつづけることができる、それが確信に変わったのです。
心強い仲間との出会いを得て、プロジェクトはまだまだ歩を進めます。いまのオフィスを出るまであと約1ヶ月。次回は、なんと工事中の新オフィスビルの中をちょこっとだけお見せします! おたのしみに。
〜つづく〜