大阪府堺市にある「屋内遊び場堺市立ビッグバン」に隣接する交流広場。10月8日日曜日の朝、たくさんの親子連れが集まっています。
今日は、JINSが子どもの近視進行抑制を目指して取り組む「もっと外遊びプロジェクト」の一貫として行われるイベントの日なのです。円形の広場にぐるりと並んだ、たくさんの外遊びが体験できるテント型のブース。そして、なんといっても目玉はあの「プレーカー」の大阪初のお披露目会です。
ここで、「プレーカー」と「Kid’sぽけっと」さんについてご紹介しましょう。まず、「プレーカー」について。
JINSが掲げるサステナビリティ目標のひとつに、「近視をなくす。目を通じた、幸福の追求を。」があります。増加する子どもの近視をなくしたいという想いから、「屋外で遊ぶ時間をとっている子どもは近視になりにくい、または近視の進行が遅い」という研究結果*が報告されている「外遊び」に着目。遊具を積んで外遊びを空き地や公園に届ける「プレーカー(PLAY CAR)」にたどり着いたのです。
*参考:Lisa A Jones, et al. Invest Ophthalmol Vis Sci . 2007 Aug
JINSオリジナルペイントが施されたカラフルな車の中には、子どもたちが喜ぶ遊び道具がたくさん詰まっています。さらに、JINSオリジナルの遊び道具「ビッグ見る育かるた」を積み込んで、外遊びの準備は万端。第一弾の「プレーパークせたがや」さんに続き、今日この日、「Kid’sぽけっと」さんに寄贈されます。
「Kid’sぽけっと」を運営するのは、金髪のヘアスタイルが目を惹く川口裕之さん(以下、裕之さん)と、優しい笑顔がトレードマークの川口妙子さん(以下、妙子さん)のご夫妻。お茶目なキャラクターでありながら、それぞれが大学と専門学校で教鞭を取り、20年以上に渡って子どもの教育と養護を教えてきたプロの教育者でもあります。
裕之さん「我々が冒険遊び場を運営している理由は、『体験の貧困』をなくしたいから。僕らが子どもだった頃は当たり前に体験できた豊かな遊びを、今の子どもたちにも体験させたいのです」
妙子さん「遊びと教育は両輪で、そのどちらも大切だと言われています。けれど、遊びを軽視する教育者や、遊びを重要視するあまり教育が後回しにされるケースは少なくありません。私たちは、遊びと教育をいいバランスでミックスして、10年後、20年後の良い世の中を作るために活動しています」
この日のために用意されたそれぞれの「外遊び」のブースに、子どもたちが駆け寄ります。絵の具を使ったフィンガーペインティングや中国駒といった屋外ならではの遊びから、大工さんごっこ、絵本、鉄道のおもちゃなどの家の中でもできるけれど、外でやるともっと楽しい遊びまで。
中でも子どもたちの「おおーっ」という声が上がっているのが、JINSが店舗から回収したデモレンズ(*)に好きな絵を描いてキーホルダーにできる、デモレンズクラフトのブースです。
「これメガネだったの?」「いろんなかたち!」とメガネフレームの形を想像しながら世界にひとつのキーホルダーができました。「メガネ屋さんなのに、近視を少なくしようとするなんて、すごいねえ」「本当にタダなん? もろてええの?」保護者のみなさんからの評判も上々です。
(*)フレームの型崩れなどを防ぐために店頭に並ぶメガネに取り付けられているプラスチック製のプレート。メガネをお客様にお渡しする時に廃棄になってしまうものを大阪府内の店舗から回収して会場に届けました。
たくさんの「外遊び」に夢中になっている子どもたち。裕之さんの「みんなにプレゼントが届いたよ!」の声で顔をあげ、広場の真ん中に集まってきました。さあ、いよいよプレーカーお披露目の時です。
「あーっ」と声をあげた子どもたちが指さすのは、広場へ続く坂道を上ってくるプレーカー。カラフルなペイントを施されたその姿に子どもたちは釘付けです。「え! 車をもらったの?」「すごい! いろんな色だ!」という声と拍手に包まれてプレーカーが無事に到着しました。
この時子どもたちの反応を一番近くで見ていた川口さん夫妻の心には「ニタッとした子どもたちの嬉しそうな笑顔」が残ったとのこと。たくさんの遊びを積み込んだプレーカーが堺市に到着した瞬間でした。
裕之さん「強力な相棒を頂いたようでとても嬉しいです。我々の拠点から離れたところに住む子どもにも遊びを届けるため、どんどん走らせていきたいです」
* * *
思い思いの遊びを、笑い転げたり、大喜びしたり、キリッと集中した顔を見せながら全力で楽しんでくれた子どもたち。私たちが外遊びを届けるつもりが、子どもたちからたくさんの贈り物をもらったような気持ちになりました。
全身と五感をフルに使って外で遊ぶことは、目だけではなく、心にもいいのかもしれません。当日集まってくれた106名の子どもたちの笑顔や、プレーカーに駆け寄る姿からそんなことを考えさせられました。
外遊びをたっぷり積んだプレーカーは、この後「Kid’sぽけっと」さんの拠点を飛び出して、さまざまなところに出かけていく予定です。皆さんのお目にかかれる機会も近いかもしれません。これからのプレーカーと、JINSの「もっと外遊びプロジェクト」を、どうぞお楽しみに。