
「つんく♂さんが、私のことを『みんなの母』って」。ハロプロ最年長が、今思うこと
ハマ:石田さんと初めてお会いしたのは、ベッキーさんと僕が司会をしていた音楽番組『FULL CHORUS 〜音楽は、フルコーラス〜』(BSスカパー! / 2015~2019年放送)でしたよね。モーニング娘。としてゲストに来ていただきました。
石田:1回目の出演は『青春小僧が泣いている/夕暮れは雨上がり/イマココカラ』(2015年)を出したタイミングだったので、もう9年も前なんですね。
ハマ:何回も来てもらったので、グループが変化しながら石田さんがどんどんお姉さんになっていく過程も見ていました。だから今回の「続ける、変わる、続ける。」という特集テーマにもぴったりかと思ったんです。
石田:最初にお会いした時はまだ18歳でしたが、今やもうハロー!プロジェクト全体の中でも最年長なんです。
ハマ:本当ですか!『FULL CHORUS』が終わってからはなかなかお仕事でご一緒することもなかったので、お話したいと思っていたんですよね。何より僕のモーニング娘。好きはだーいし推しからスタートしましたから。
石田:最初に「推し」と言っていただいた時は驚いたんですけど、かなりファン向けのYouTubeもご覧になっていたり、本当にずっと応援していただいて嬉しいです。
ハマ:改めてきっかけを説明しておくと、最初は同じハロプロのJuice=Juiceの2ndシングル『イジワルしないで 抱きしめてよ』(2013年)のMVなんですよ。メンバーの宮本佳林さんがケガして、代わりに石田さんが急遽ダンスシーンの助っ人をしているのがすごいと友人から教えてもらって。別のグループのMVに出演すること自体あり得ないのに、たった一日くらいで覚えたダンスを宮本さんの替わりにど真ん中で踊っていてとんでもなくかっこよかった。
モーニング娘。は僕が小学校のころから誰もが知っている国民的な存在だったけど、今のハロプロの音楽やパフォーマンスが素晴らしいことをちゃんと知ったのが、その瞬間だったんです。だからあのMVは思い入れが強くて、未だによく見る。

石田:この話もいろんな場所で言っていただいていて、すごく光栄です。でも人間的な部分でお話したことはないですよね。
ハマ:人間的って(笑)。確かに音楽的にどう素晴らしいか番組で語らせてもらいましたけど、大人数だしそこまで深くお話することはなかったですね。
石田:私、その人の人間味が見える瞬間が好きなんですよ。最近、今はハワイ在住のつんく♂さんが日本にいらっしゃって、この2年で加入した16期・17期メンバーと座談会をする機会があったんです。私もあんまりお会いできる機会がないから「羨ましい!」と思って、見学に行かせてもらって。
そしたらつんく♂さんから「お~今日はみんなの『母』まで来てるんや」と声をかけていただいて、久しぶりに話が出来ました。その現場での写真撮影の時につんく♂さんがパソコンに映るご自身の写真をしっかりチェックされていて。その時「つんく♂さんも自分の映りを気にするんだ。人間じゃん!」って思えて嬉しかったんです。
ハマ:そりゃ、人間ですよ! でも我々の印象と、つんく♂さんにプロデュースされている石田さんの視点では、彼の存在感が全然違うんでしょうね。
石田:勝手に崇めていたけど、人となりが見えたことで距離が近づいた感じがしました。

自分の「人間味」がわかって、楽になった。
ハマ:石田さんも、加入した当初は先輩や周りの方に教えてもらったことをこなしていくところから始まったと思うんですけど、今はサブリーダーとして自分の考えを持ってグループを取り仕切ったり、先頭に立って喋ることも多い立場じゃないですか。石田さんの自我や人間味が出せる場面も増えて、それまでとは違う楽しさが出てきたんじゃないですかね?
石田:立場もあるんでしょうけど……ようやく自分のことを理解できるようになってから楽しくなった気がします。コロナ禍でずっと家にいる時に、私はどんな人間なんだろう?何が出来て、何が好きで、どんなことが許せないのだろう?って初めてちゃんと考えたんです。そこから嘘がなく生きられている感じがします。
ハマ:自分のことを考えたことでどう変わったんですか?

石田:嫌いなこと、苦手なものと向き合わなきゃいけない場合もあるけど、あえて逃げて自分を守ってもいいんだって思うようになりました。例えば話の裏側のことを話している会話とか、漏れ伝わる噂や評価とか、聴こえてくるだけでもウッと気分が落ち込むんですよ。だから自分と直接関係なかったらシャットアウトしちゃおうとか。
この特集のハマさんのインタビューでも、メンバーのプライベートにあんまり踏み込まないようにしていると仰っていたじゃないですか。「私もそれだ!」と思いました。
自分の目で見たことだけを信じることにしていて。誰かがあることについて何か話していても、それはそれ。私がその人と接した範囲で得た情報や印象だけで関わる方が、健康的なんですよね。

若いメンバーの加入があることこそ、グループアイドルの強み
ハマ:前回の僕の話をベストな言葉で改めて表現してもらった感じがする。でもそこもメンバーをまとめるお姉さんの立場ならではの考え方だなと思いました。どんどん新しいメンバーが入って、絶えずグループが変わっていくことについてはどう思っているんですか?
石田:入ったばかりのメンバーが一所懸命取り組む姿を見て、私も練習しなきゃってなりますし、ありがたい環境だなと思います。あと今のメンバーはみんなすごくいい子だから、尊敬しちゃうんですよね。だから年下だけど、あなたのここが好きとか素敵だよってことは伝えるようにしてます。
ハマ:自分の加入当時と比べたりします?

石田:しますします。私の方がずいぶん幼かったです。だからグループ内でも年上になったことで、加入した当時の先輩方への感謝も芽生えました。こんな子どもを迎え入れてくれて、むかつくこともあったと思うんですけど(笑)、その素振りを全く見せずに接してくれていたので。
ハマ:この、違う世代と同じグループでパフォーマンスするってところが我々のバンド稼業と一番違うところかもしれないですね。今、石田さんは後輩とどう接しています?話は合いますか?
石田:私が早生まれなおかげで、最年少の弓桁朱琴(ゆみげた あこ)ちゃんともギリギリ干支一周していなくて11歳半差。でも全然流行りとか話題にはついていけてないです(笑)。でもその情報を必要としていない自分がいるから、あんまり気にしていないですね。
ハマ:そのさっぱり割り切りながら、ちゃんとリスペクトもしてくれるお姉さんが今の最年長だから、風通しもいいんでしょうね。
石田:でも若いメンバーと一緒にいることで、今わたしは27歳なんですけど23歳くらいの感覚でいます(笑)。こうやってどんどん新しく入ってくるから、自分もずっと新鮮な気持ちで続けられる。これはモーニング娘。の強みですね。
ハマ:これだけずっとアイドル文化の中で存在を示しながら常に変わっているモーニング娘。は日本における伝統芸能ですよ。いずれは歌舞伎とかにも次ぐ存在になってもおかしくない。
石田:それは言い過ぎです(笑)。でも偉大な先輩方が積み上げてきたから、今の私たちがあるんだなとは常々思います。この前もある方から「昔、中澤裕子さんにお世話になりました」って言われたり。
ハマ:1期生じゃん!(笑)。それを石田さんに伝えるって、なんか背筋が伸びますよね。

意識せずとも、モーニング娘。の看板がついてくるから
ハマ:自分が入る前からずっとあるグループの看板を引き継いでいるという意識はあるんですか?
石田:意識をしてもしてなくても、ついてくるものという感覚ですね。むしろメンバーだけ変わってずっと同じことをやっていても仕方ないので、今までと違うことや新しいことにトライしたり、変える方を意識しています。
ハマ:確かにパフォーマンスの雰囲気も変わっていっていますよね。
石田:そうなんです。これも大変で、2014~15年くらいまではきちっとした配置のフォーメーションダンスに力を入れていたんですけど、その時期を経験しているメンバーとその後に加入した人で、意識に差が出てくるようになって。2018年頃にはもっと一体感を出したい派と、それぞれの個性を出したい派でぶつかったこともありました。
そこはダンスの先生とも話しながらどちらの要素も取り入れていたんですけど、最近ではもう(フォーメーションダンスを)経験していないメンバーの方が多いので、個性重視になってます。それをいいと言っていただけるファンもいれば、前のほうがよかったとおっしゃるファンもいるので、なかなか難しいんですよね。
ハマ:フォーメーションダンスをやっていた時期が好きだったファンにとっては、この曲はずっとあの振り付け、あの導線でやってほしいと思う気持ちもわかる。継承と更新って痛みや犠牲が伴うんですよね。でもモーニング娘。そのものが加入と卒業を前提としたグループだから、変化を面白がるファンの方が多いと思いますけど。
石田:そうですね。このままでいいのか常に悩みながらも、結局ライブのステージに立ったらめちゃめちゃ楽しくて、ファンも盛り上がってくれるのでありがたいです。

他の人が思う「ハマ·オカモト」の方が、おもしろい
石田:OKAMOTO’Sのライブも毎回いろんなことをやっていてすごいですよね。
ハマ:何度か観に来ていただきましたよね。ありがとうございます。
石田:バンドってボーカルの方が一番光っているようなイメージがあったんですけど、OKAMOTO’Sは4人それぞれから溢れてくる魅力の幅が広くて、全員主役のバンドなんだなって思いました。だからこんなに面白くてかっこいいことが出来る。以前、NHKホールでコントから始まるライブを拝見して。あれは本当にすごかった。
ハマ:一昨年やりましたね(「90’S TOKYO BOYS IN HALL SPECIAL ~アフタースクール~」)。先ほどの話に繋がりますけど、コントのパートは僕とスタッフと舞台監督だけで考えていて、メンバー3人には最終リハーサルの段階で内容を伝えているんですよ。だからバンドのイベントとして成立しているんだと思います。
石田:新鮮に出来るってことですか?
ハマ:それもありますし、僕はこういう企画を考えたりテレビやラジオで喋るのも好きですけど、ミュージシャンの自我を保っている他の3人がいるから、音楽に戻ってくることができる。これが全員でコントを考えだすと、もうコントグループだから(笑)
石田:ハマさんは面白いことを考える担当なんですね。そういえばこの特集の最初にも「メガネを食べる企画をやってみたい」ともおっしゃってましたし。
ハマ:なんか俺だけバカみたいだね(笑)。

石田:今日聞いてみたいと思っていたんですけど、ずっと同じ4人でバンドをやっていて、どうやって表現の幅を広げたり、引き出しを増やしたりしているんですか?
ハマ:それでいうと最近になってようやく、他の人が見ている「ハマ·オカモト」の方が、僕がやるハマ·オカモトよりもおもしろいことに気づいたんですよ。
ある時のレコーディングで、「自分が出せるものは全部出し切った」と思った時があったんです。でも自分よりも年下のディレクターから「イントロのベースをもう少しよくできるはず」と言われて、もう一回トライしてみたら本当にいいものが出来た。
他の人が思う「ハマ·オカモト」の良さに僕が合わせてみたら、自分の中にないものが出てくるんですよね。だから、自分の中にあるものだけでつくろうとしないこと。人に言われたことを「わかってねぇな」と思うんじゃなくて、一旦聞いてみるのはいいですよ。
石田:なるほど! それ、私もありました。加入時期が違う3人で『Take off is now!』という曲をパフォーマンスすることになったんです。強い大人の女性を表した曲だから、一番下の岡村ほまれちゃんがカッコいい系のダンスをするのは新鮮さがあるし、加賀楓ちゃんはそもそもスタイリッシュでカッコいいダンスが似合う人。その中で一番上の私はどう「カッコいい」を表現すればいいか、引き出しがなくて。
ハマ:役割が埋まっているということですね。どうしたんですか?
石田:同期の工藤遥ちゃんに相談しました。そしたら「クラブとか行ってみたらいいんじゃない?」って言われて。
ハマ:ざっくりしたアドバイス(笑)。実際行ったんですか?
石田:行ったことがなくて、勇気が出なかった……。でもそのワードをもらってイメージが沸いたんです。他人に引き出しを開けてもらうのはいいですね。

エスカレーターとセロリ。人間・石田亜佑美とハマ·オカモトが嫌いなもの
ハマ:ここまでモーニング娘。としての話をしてきましたけど、最後に人間・石田亜佑美についてもう少し掘り下げたいですね。グループの活動以外では何をしている時が楽しいですか?
石田:休みの日があるとずっと家にいちゃうんですよね……ずっとカジサックさんのYouTubeを見ています。でもこういうことを聞かれた時、あまりに話せることがないので外に出たい気持ちはあるんです。先月も初めて一人で鎌倉に行ってみたんですけど。
ハマ:ほう。どうでした?

石田:いろいろ回って御朱印をもらおうとしたんですけど、拝観料と合わさると結構お金がかかるんですね(笑)。私は基本ケチな人間で……。楽しかったんですけど、また一人旅行に行くとしても別のことをしてみたいと思っています。
ハマ:向いてなかったんですね(笑)。じゃあもう一つ、石田さんが嫌いなものってなんですか?
石田:嫌いなもの?
ハマ:僕は人の嫌いなことを聴くのが好きなんですよ。好きなものよりも理由がはっきりしている気がして。ちなみに僕はセロリで、味が苦手というより食材としての協調性のなさが気に食わない。
ミネストローネを作る時でも、ニンジン、玉ねぎはもう周りに馴染んでいるのに、ずっとセロリのまま自己主張を続けていて友達になれなさそう(笑)。パクチーはいいんですよ。彼は与えられた香草という役割をちゃんと果たしているから。
石田:それで言えば、エスカレーターで右側を空けて乗るのがすごく嫌いです……。

ハマ:なんで!?
石田:本当は二列に並んで歩かずに乗るのがマナーじゃないですか。でも暗黙のルールに従って左側に長蛇の列が並んでいるところを見るとモヤモヤします。特に人数が多い私たちがグループで移動をする時に、駅で一列になっちゃうとすごく迷惑をかける。だからせめてハロプロは2列整列厳守にしたいです。
ハマ:めちゃめちゃ面白いじゃないですか。
石田:百歩譲って、右側を空けるのが急いでいる人を通すための優しさだったとしても、大阪に行けば右側に乗る方も多くて。他の地域から来た人がいつも通り左側に乗ったら互い違いで、急いでいる大阪の人は通れなくなっちゃう。全てはエスカレーターの半分を空けて乗ることから起こる混乱ですよ(笑)! あれが本当に嫌です。
ハマ:いや~今後もっとそういう部分を色んなところで出してほしいですね。
石田:最後にこんな話でいいのでしょうか……?

ハマ:今日は最初におっしゃった「人間的」な話がたくさんできたのでよかったですよ。なおかつグループのお姉さん的立場としての責任感や人との接し方の気遣いが見えたし、石田さんなりに考え方が変わりながら、楽しく活動を続けていることがわかって安心しました。
この対談の機会を一番喜んでくれるのは、番組で共演していたことを誰よりも覚えていてくれているモーニング娘。のファンだと思うので、二人のお喋りをこういう形で読んでもらえることが嬉しいですね。

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プライベートでは常にメガネを愛用しているという石田さん。
「普段からJINSさんのメガネを使っています。枕元にメガネを置いて寝ていたら、潰しちゃったことがあるんですけど、お店に相談しに行ったら無料で直してくれたんですよ。鼻あてのゴムも新しいのを付けていただいて、ケアが本当に素晴らしいなって。ガチでお世話になっています……!」
と丁寧に感謝を伝えていただきました。JINSとお客様の関係性はメガネを一度買って終わりではなく、その後も何かあればいつでもご相談いただけるアフターサービスにも力を入れています。サブリーダーとしてグループを支える石田さんと同じく、JINSも困った時には頼れる存在を今後も目指してまいります!
